インタビュー

駐日スリランカ大使館 特命全権大使 ダンミカ ディサーナーヤカ閣下インタビュー

駐日スリランカ大使館 特命全権大使のダンミカ ディサーナーヤカ閣下にインタビューしました。その内容をお届けします。

大使としての現在のお仕事について教えてください。

新しい政府から任命されたスリランカ大使として、経済を重視した外交を行なっています。主に政府関係者や投資家とお会いします。FDI(直接投資)をしてくれそうな会社を探して、スリランカの魅力を紹介しています。

 

スリランカ新政府が、日本政府や日本企業に期待することはなんでしょうか?

前政府は中国を重視していましたが、新政府は中国、インド、日本とバランスをとった関係を目指しています。そのために、スリランカ政府と日本政府の関係は10年前に比べるとぐっと近くなっています。新政府の首相は日本に2回、大統領は日本に1回すでに訪問しています。スリランカは遠い島国だと思われていますが、一度来ていただければその魅力を分かってもらえると思います。来年の初めに、日本商工会の視察団が100人ほどスリランカに来る予定です。日本商工会の視察団がスリランカに来るのは今回が初めてです。今、スリランカの発展スピードはとても早くなっています。南アジアの他の国と比較して、政治面、経済面、社会面、どの側面ともスリランカは良い状況にあると思います。

 

スリランカに進出するメリットについて教えてください。

人材が魅力です。スリランカ人は学歴が高く、高校まで出た人の比率が高いです。今後、単純作業は機械に取って代わることになるでしょうが、そうなった場合それを扱える人材が必要になります。スリランカでは教育面と医療面の費用が無料なので、それが高学歴の人材の輩出につながっていると思います。

大使が日本に関わることになったきっかけは何でしょうか。

1985年の当時私が25、26歳のときに、世界青年の船にスリランカから参加する10人の内の1人に選ばれました。その時、日本の若者と1ヶ月半ほど生活を共にし、日本に憧れるようになりました。

 

日本の魅力についてお聞きします。

今、スリランカは発展しようとしているところなので、自国のどの部分を変えるべきで、どの部分を変えないべきなのかが課題だと感じています。日本は独自の伝統・文化を守りながら先端技術を取り込み、うまく調和させて先進国になった国だと思います。日本はルーツが残っている素晴らしい国だと思います。例えば、亡くなった方々への気持ち、お祭り、日本料理、考え方や感性も欧米の国々とは異なります。スリランカも日本と同じアジアの国です。本来、考え方は欧米よりも日本に近いと思います。しかし、スリランカは150年ほど英国の植民地でしたので、欧米の考え方に影響を受けています。

 

アジア諸国と欧米諸国の考え方の違いについてどうお考えでしょうか。

アジアは集団主義です。集団主義では仮に個人として意見が合わなくても、集団としてまとまります。一方で、欧米は個人主義です。自分の権利について考えることは大切ですが、いつも権利が優先されがちで、自分の役目について考える意識が希薄に思います。

スリランカと日本の似ているところはどこでしょうか。

お米が主食であること、仏教徒が多いこと、そして鰹節を使う国であることです。違いはスリランカ人は大雑把で、日本人は細かいところです。日本人は義理と人情を大切にしていますが、スリランカ人は義理と人情には比較的薄いと思っています。

 

スリランカの良いところについて教えてください。

自然が豊かなこと。そして、スリランカ人は愛情深く、その対象がとても広いことです。愛情は人間にだけでなく、動物、植物、水など自然や周りにある命にも向けられています。これは仏教の影響かもしれません。仏教徒は毎朝「全ての生きものが幸せになりますように。」と拝みます。スリランカを旅行した日本人の方からよく聞くのは、スリランカ人たちの笑顔です。貧しくても、お金持ちでも、みんな笑顔で挨拶してくれます。日本でも田舎の人たちは親切で愛情深いですが、スリランカも田舎の人たちは心優しいです。

 

大使おすすめのスリランカの過ごし方は何でしょうか。

スリランカのホテルやレストランは欧米人観光客の扱いには慣れていますが、日本人観光客の扱いには慣れていません。欧米人もそこまで細かいことは気にしませんが、日本人はとても細かいです。例えば、紅茶が提供された時、紅茶がソーサーに数的溢れていた時、日本人はそれが気になるでしょう。スリランカで日本人並みの細かさを求めてやってくると、疲れてしまいます。事前にスリランカはそういうところだと知った上で、大らかな気持ちでスリランカで過ごしていただきたいです。

ご出身のコロンボ、学生時代を過ごされたキャンディの魅力についてお聞きします。

私は小学校から高校卒業まで13年間、寮で暮らしながらキャンディで生活していました。キャンディはスリランカの古代文化のシンボルであり、地元の人たちはキャンディに誇りを持っています。どんどん発展するコロンボに比べるとゆったりした場所で、気候が良くて涼しいです。欧米人はキャンディが好きで1週間くらい滞在する方が多いです。キャンディは山の上からの景色がお勧めです。私の学校は山の上にあり、360度見渡せる景色の綺麗なところでした。コロンボは海がいいですね。マウントラビニアやゴールフェイスは都会にいながら海を眺められます。コロンボから少し離れますが、ベントタ、ヒッカドゥワにも素敵な海があります。

 

オススメのスリランカ料理を教えてください。

田舎で食べるライス&カリーです。都会のライス&カリーは欧米人向けに人参などが入っていますが、田舎の庶民のライス&カリーは地元の野菜を使ったもので、値段も安くてとても美味しいです。特にベジタブルカレーはココナッツミルクで作っているので、辛くなく日本人にも食べやすいと思います。

 

スリランカはフルーツも有名ですが、何がお勧めでしょうか。

バナナです。その中でもコウリコットゥという豹のように皮に黒い点がついているバナナが美味しいです。少し値段は高いですが、色んなバナナがある中でも特に栄養価が高いバナナです。

 

大使は日本食がお好きでしょうか。

刺身が好きです。それと毎朝、納豆、シャケ、豆腐を食べています。

 

日本の好きな場所について教えてください。

田舎が好きです。田舎のお祭りを見に行くことはとても楽しいです。スリランカでは毎月ペラヘラというお祭りがあるので、スリランカ人はお祭り好きです。お釈迦さまの誕生日などスリランカでお祝いする日は、八王子にある正山寺釈迦牟尼国際佛教センターにスリランカの人は集まります。私も昨日行きました。成田にはランカ寺、筑波にはスリ・サンブッダローカ寺があり、スリランカ人が集まっています。

 

これからのスリランカと日本の関係は、どのような展開が望ましいでしょうか。

スリランカはかつてアジアの玄関口として重要な国でした。昔から貿易で東西の船が多く通る地理的に優位性のある国です。長く続いた内戦によって、シンガポールが代わってアジアの玄関口としての役割を担いましたが、今後はスリランカもそのような役割をしていくべきだと考えています。スリランカはEUと自由貿易協定を結び、インドや中国とも自由貿易協定を結ぶ予定です。スリランカとしては日本とも関係を強化したいと考えています。日本から商品や品物をアフリカや中東に運ぶ時は、スリランカを通ることになります。また、10年、20年経つと日本にいるスリランカ人コミュニティーはより大きくなっていくと思います。現在は18,000人のスリランカ人が日本で暮らしています。スリランカから日本に来る人1,200〜1,300人もいて、毎年どんどん増えています。日本は高齢化していますので、スリランカ人の若者が日本で活躍する機会も増えていくでしょう。

(取材日:2017年10月16日)

 

特命全権大使 ダンミカ ディサーナーヤカ 閣下

東海大学博士号(マスコミュニケーション)取得。首相メディア担当顧問、国営テレビ会長、ラジオ放送協会会長、スリジャヤワルダナプラ大学現代言語学部部長・文学部准教授などを歴任。出版物を7つ上梓。2015年10月22日に信任状捧呈。

 

撮影:西田 幸樹

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